はじめに
農地の売却は、宅地や雑種地の売却と比べて手続きや条件が複雑です。今回は、実際に私が「農地売却」を専属専任媒介契約で依頼した結果、感じた課題や不動産会社とのやり取りをリアルにお伝えします。これから農地の売却を考えている方にとって、少しでも参考になればと思います。
※前回までの進捗報告のブログはこちら。
農地売却はなぜ難しいのか?
農地売却が難しい最大の理由は「農地法」による制限です。特に市街化調整区域内の農地の場合、買主が農業従事者でなければ原則として売却できません。宅地などに転用する場合は「農地転用許可」が必要になりますが、以下のようなハードルがあります:
- 農業委員会の審査
- 都市計画との整合性
- 買主側の利用計画・実績
このように、売却までに非常に時間と労力がかかるのが農地です。
不動産会社との専属専任媒介契約とは?
今回、私は某不動産会社と「専属専任媒介契約」を締結しました。これは、依頼した不動産会社だけが売却活動を行い、契約期間中は他社との併用や自分での売却活動も制限される形です。一般媒介契約と比べると販売活動に集中してもらえるというメリットがありますが、実際には「売却に対してどれだけ本気で取り組んでくれるか」が重要になります。
1か月経っても進展なし…週次報告の中身は?
契約後、不動産会社からは毎週報告が来ることになっていました。ところが、報告内容は毎回曖昧で進展が見られません。ようやく出てきたのは「農地転用はやはり難しい」という結論。
実は、農地転用のハードルが高いことは最初から分かっていたこと。それにも関わらず、1か月以上も「検討」し続けたうえでこの報告というのは、誠実に対応していたとは言いがたいです。
あいまいな提案にがっかり
さらに、不動産会社からの提案は「農地としての価格に見直した方が良いかもしれません」というあいまいなもの。私はすぐに「それで良いので早く売却に進めてください」と返答しましたが、今度は「希望価格はありますか?」「相場を調べてから再提案するので1週間かかります」との回答。
こちらとしては、農地としての価格相場など、とっくに調査済みだろうと思っていたため、この対応には失望しました。1か月以上も経ってから「これから相場を調べます」というのは、明らかに動いていなかった証拠です。
専属専任媒介のリスク
この体験から、専属専任媒介契約には以下のようなリスクがあると実感しました:
- 業者が本気で動かなくても他社に切り替えられない
- 進捗がなくても待つしかない
- 情報の透明性に欠ける
- 媒介契約期間が無駄になる可能性
信頼できる不動産会社であれば問題ないのかもしれませんが、「やる気が感じられない業者」に当たった場合は、完全に足を引っ張られる形になります。
いま考えている次の一手
現在は以下の対応を検討しています:
- 媒介契約の期間満了を待って他社へ切り替え
- 農地価格で再設定しつつチラシや地元業者への直接営業も視野に
- 自力での情報収集と役所・農業委員会への相談
農地売却は「売る側の知識と行動力」も非常に重要だと実感しています。任せきりではダメで、こちらから積極的に情報収集し、売却スキームを組み立てる必要があります。
これから農地売却を考えている方へ
私の体験から伝えたいのは、「農地売却は簡単ではない」ということです。特に以下のポイントに注意してください:
- 転用許可の可否と所要期間を事前確認する
- 媒介契約の種類は慎重に選ぶ(専属専任か一般か)
- 不動産会社の対応力を見極める
- 自分でも動いて情報収集する姿勢が大事
まとめ:農地売却は信頼できるパートナー選びがカギ
農地売却には時間がかかることは理解していたものの、1か月以上たっても何の成果もない状況に、正直焦りと苛立ちを感じています。信頼できる不動産会社に出会えるかどうかが、成功のカギを握っていると改めて痛感しています。
今後の進捗についても、またブログで更新していきたいと思います。


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