はじめに:突然の「うつ病」診断──誰にでも起こりうること
最近、私の職場でショックな出来事がありました。
部長クラスの同僚が、うつ病の診断を受けて長期休職に入ったのです。
彼はまさに「バリバリの仕事人間」。
経営層からの信頼も厚く、部門の中心人物として周囲を引っ張っていました。
しかし、そんな彼が突如として職場から姿を消すことになったのです。
ストレス社会に潜む「心の限界」──見えない疲労の蓄積
■ 外からは「完璧」に見えた働きぶり
- 毎日深夜まで飲み歩く、朝は誰よりも早く出社
- 部下からも慕われ、上司にも意見できるリーダーシップ
- 経営層の寵愛を受け、社内でも非常に目立つ存在
まさに、「仕事ができる人」の象徴のような存在でした。
■ それでも心は悲鳴を上げていた
- 完璧主義による自己プレッシャー
- 部下・同僚・上司の間に立つ中間管理職のストレス
- 表面上は笑顔でも、内面には疲労と孤独感
現代のビジネスパーソンが抱える「見えないストレス」が、彼の限界を超えていたのかもしれません。
過去の自分と重なる「頑張りすぎ」の危うさ
■ 私自身も“頑張りすぎていた”時期があった
1年前まで、私も経営層から注目される事業に携わっていました。
責任は重く、プレッシャーも大きく、日々仕事に追われる毎日。
「睡眠時間は削ってでも成果を出す」が当たり前の生活でした。
■ 異動後の「それなり」の仕事に救われた
現在は以前ほど注目されるポジションではありません。
仕事の負荷は適度で、プレッシャーもやや緩和。
当時の私に比べると、今の働き方はある意味“平凡”かもしれません。
しかし、それが心と身体を守る適切な距離感だったと今は思えます。
うつ病は「心の風邪」ではなく「人生を揺るがす病気」
■ うつ病のリアルな影響
- 日常生活すら困難になることがある
- 自信や自己肯定感が著しく低下する
- 回復には時間がかかることも多く、再発リスクもある
本人だけでなく、家族や職場の仲間にも大きな影響を与える深刻な病気です。
■ 大切なのは「静養」と「理解」
今はとにかく、しっかり休んでほしい。
「また元気に戻ってきてほしい」と願う気持ちはありますが、焦らず、周囲も理解ある態度で接することが何より重要です。
職場でうつ病を予防するためにできること
■ 本人ができるセルフケア
- 頑張りすぎず、定期的に心身をリフレッシュ
- 睡眠・食事・運動など生活習慣の見直し
- 不調を感じたら早めにカウンセリングや医療機関へ
■ 組織ができるサポート体制
- メンタルヘルス研修や産業医の導入
- 定期的な1on1や人事面談の強化
- 「休む勇気」を肯定する風土づくり
「復活」できる未来を信じて──違う形での活躍を願う
うつ病になると、これまでのように働くことは難しくなるかもしれません。
しかし、「これまで通り」ではなくとも、「これからの新しい活躍の場」は必ずあるはずです。
彼がこれまで培ってきた経験、人脈、知識はかけがえのない財産。
回復後にそのパワーを活かせる場がきっと見つかると信じています。
【まとめ】頑張ること=美徳という時代を終わらせよう
私たちはつい、「頑張っている人=偉い」と思いがちです。
ですが、自分を犠牲にしてまで頑張ることは本当に正解なのか?
今回の同僚の出来事は、そんな問いを私に投げかけました。
働き方や心の健康を改めて見つめ直し、「適度にがんばること」「休む勇気を持つこと」の大切さを、社会全体で再認識していく時期に来ているのかもしれません。
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