はじめに
不動産投資を始めたばかりのオーナーにとって、管理会社の選択は収益性に直結する重要な決断です。しかし、多くの初心者投資家は管理会社の選び方がわからず、売買仲介会社の紹介や既存の関係に頼りがちです。
私は不動産投資歴2年、3棟を所有する新米オーナーとして、管理会社との付き合いの中で様々な経験をしてきました。この記事では、私自身の体験から学んだ「管理会社選びで失敗しないためのポイント」と「実際に経験した不満事例」を詳しく解説します。
管理会社の重要性とは?
不動産投資において管理会社は単なる「委託先」ではなく、あなたの事業パートナーです。良い管理会社は空室リスクを最小化し、物件価値を維持・向上させてくれる存在となります。逆に、不適切な管理会社は収益性の低下や予期せぬトラブルの原因となりかねません。
管理会社に委託する主な業務は以下の通りです:
- 入居者募集(客付け)
- 家賃集金・滞納対応
- 建物の維持管理・清掃
- 入退去手続き
- クレーム対応
- 修繕工事の手配
これらの業務がスムーズに行われることで、オーナーの負担は大幅に軽減されます。しかし、すべての管理会社がこれらのサービスを同じ品質で提供しているわけではありません。
管理会社はどうやって選ぶべき?
1. 一般的な選定方法
多くの新米オーナーは以下のような方法で管理会社を選んでいます:
- 不動産売買仲介会社からの紹介:物件購入時に仲介会社から紹介されるケース
- 売買仲介兼管理会社との契約:物件購入の条件として一定期間の管理契約が組み込まれるケース
- 自ら情報収集して選定:口コミや評判を調べて独自に選定するケース
私の場合、3棟とも「売買仲介会社からの紹介」と「契約条件としての指定」でした。
2. 選定時のチェックポイント
管理会社を選ぶ際に確認すべき重要なポイントは以下の通りです:
- 管理費用:料率は適正か(相場は家賃の3〜5%)
- 客付け力:空室をどれだけ早く埋められるか
- 建物管理の質:清掃や修繕対応は適切か
- コミュニケーション:オーナーへの報告や提案は的確か
- 実績と評判:同エリアでの管理実績はあるか
- サポート体制:緊急時の対応は万全か
管理会社への不満事例と対策
① 管理費用に関する不満と交渉術
【実体験】 私が所有する2棟の物件は、1棟目が家賃の3%、2棟目が5%の管理費となっています。同じような業務内容なのに5%は明らかに割高だと感じていました。
3棟目の購入予定物件でも当初は5%で提示されましたが、「他社は3%なので1年後の契約更新時に乗り換えを検討している」と伝えたところ、初回契約から3%に減額してくれました。詳しくはこちらのブログもご覧ください。
【対策】
- 管理費の相場(3〜5%)を把握しておく
- 複数の管理会社から見積もりを取り比較する
- 契約更新時は値下げ交渉のチャンス
- 管理内容と費用のバランスを考慮する
高い管理費を払うなら、それに見合ったサービスを要求するべきです。単に「安ければ良い」というわけではなく、サービス内容とのバランスが重要です。
② 客付け力と条件設定の問題
【実体験】 空室期間はオーナーにとって大きな損失であり精神的なストレスでもあります。私は空室をできるだけ早く埋めたいタイプなので、広告料は2か月分など多めに出すことが多いです。
しかし、管理会社によっては条件設定や変更の提案が全くなく、オーナーに丸投げするケースがありました。また、条件変更を依頼してもネット上の募集情報にすぐに反映してくれない会社もあり、機会損失を感じることがありました。
【対策】
- 入居者募集開始前に条件設定について詳細に話し合う
- 定期的に募集状況の報告を要求する
- 反応が鈍い場合は早めの条件変更を提案する
- 条件変更後の情報更新を確認する
プロアクティブな提案がない管理会社は、不動産のプロとしての価値が低いと言わざるを得ません。客付けについては特に注意深く管理会社の対応を観察すべきです。
③ 建物管理の質と監視の重要性
【実体験】 最も衝撃的だったのは清掃業務の品質問題です。2棟目のアパートで清掃が全く行われていない状況を目の当たりにし、管理会社と大きなトラブルになりました。
ある日曜日の昼間に物件を訪問するとゴミが散乱していたので、まず清掃実施日を管理会社に確認しました。すると「その日曜日の夕方に清掃した」との回答。しかし翌日月曜日に再度確認したところ、ゴミはそのままでした。
証拠写真を管理会社に送付し抗議したところ、慌てて清掃を実施し、清掃費の一部免除も受けることができました。
【対策】
- 定期的に物件を訪問し状態を確認する
- 清掃実施日や内容を明確に契約書に記載する
- 問題があれば写真等の証拠を残す
- 報告書だけでなく実際の状況を確認する習慣をつける
建物管理は入居者満足度に直結するため、妥協は禁物です。管理会社の「言葉」だけを信じず、「実績」で評価することが重要です。
理想的な管理会社の見つけ方
① 情報収集と比較
- 複数の管理会社から見積もりを取る
- 同エリアの他のオーナーから評判を聞く
- オーナー会やセミナーで情報交換する
- インターネットの口コミや評判をチェックする
② 契約前のチェックリスト
- 管理規約や契約書の細部まで確認する
- 解約条件や違約金について明確にする
- 実際に管理している物件の状態を見せてもらう
- 担当者との相性を確認する
③ 契約後のフォローアップ
- 定期報告の内容と頻度を確認する
- 空室発生時の対応プランを事前に相談する
- クレーム対応のフローを確認する
- 収支報告の正確さをチェックする
まとめ:良い管理会社と長く付き合うために
不動産投資は「投資」で終わらず「経営」です。その経営を支える重要なパートナーが管理会社といえます。初期選定を誤ると長期的な収益性に大きな影響を及ぼすため、慎重な選択が必要です。
私の経験からアドバイスするなら、以下の3点に注意してください:
- 過度の期待を持たない – 完璧な管理会社はありません。強みと弱みを把握した上で付き合いましょう。
- コミュニケーションを大切に – 不満や要望は早めに伝え、改善の機会を与えましょう。
- 監視の目を緩めない – 信頼しつつも定期的なチェックは欠かさないことが重要です。
最後に、もし現在の管理会社に不満があるなら、改善を求めるか乗り換えを検討する価値があります。不動産投資の成功は、良きパートナー選びから始まることを忘れないでください。
私自身、管理会社との関係構築は試行錯誤の連続でしたが、問題点を明確にして改善を求めることで、少しずつ良好な関係を築けるようになりました。皆さんの不動産投資が、適切な管理会社選びによって成功することを願っています。

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